2007-06-12

NC ドラえもん「最終話」

出典:朝日新聞,2007年6月9日,p27,文化

□■要約■□
人気漫画「ドラえもん」の「最終話」と称する物語が無断で漫画化、出版された
「最終話」は、プロの漫画家からも「絵だけではなく、テーマや展開も藤子・F・不二雄さんの思想を受け継いでいる」
という声が出ているほど出来栄えがよく、約1万3千部も販売された。
「作者」の男性が小学館と藤子プロに謝罪し売上金の一部を支払うことで決着をみたが
模倣やオマージュ作品がどこまで許されるかという課題点を残した

だが、今回の対応は例外的というニュアンスも小学館側には感じられる。
新しい才能は模倣を入り口にして生まれてくることも多々あるため、漫画をめぐっては作者や出版社はこれまで少部数の同人誌レベルでのこうした表現は大目に見てきたからである
今回の事件が大事になったのは、1万3千部という巨大な規模になってしまったからであろう
藤子プロの伊藤善章社長は「もし『最終話』がこれほど多く売られていなかったら?」と問われると、「う~ん、難しいですねえ」という答えた

■□感想□■
「著作権とは何か」について、福井さんがゲストスピーカーとして来てくださったときも議論になったが
「二次創作の作品が、オリジナルの作品よりも良いものができてしまったら、どうなる?」という問題だ
「良い」という評価はとても難しいが、簡単な指標として流通量が上げられうだろう
今回の場合も、デきが悪ければ、このような大事な事件にはなっていなかったはずだ
同人誌や漫画などが、日本にとって強力なカルチャーとなっている今、このような著作権のバランスを
二次創作をする作者自体が上手く対処するのは難しい気がする
現状のままでは、今回のような事件は、これからも増えていくだろう

□■議論したい点■□
1,コミケなのでは、様々な同人誌が溢れきっている中、改変作品が、その流通量が増えれば(良い作品であれば)、著作権に違法するという現在の状況は変ではないのか
2,コミケでは、同人誌や創作されたキャラクターグッズなどが販売されているが、それは合法なのか

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