2010年NTT解体の感想
2010年NTT解体 知られざる通信戦争の真実
*感想*
一般ユーザーが主に利用する通信インフラが電話網からIPネットワークへと変化しつつあり、IP技術は地域と長距離という区分をなくす。それにも関わらず、NTTの固定電話会社は東日本と西日本に分かれていて、これらをNTTコミュニケーションズが中継する形になっている。それだけではなく、FMCの台頭により携帯電話と固定電話も一体化してきていて、NTT東西とNTTドコモは別会社で事業会社間の連携が上手く取れないという現状である。自分の知らないところで、驚くほど技術が進歩し、一方で、NTT全体ではすごく複雑に絡み合っていた。どう考えても、新しいサービス、よりよいサービスができるとは思えない。消費者にとって、受話器から聞こえてくる音声が、NTT東日本の電話網を利用しているのか、西日本の電話網を利用しているのか、NTTコミュニケーションズが中継しているのかなんて全く関係ない。よりクリアに聞こえること、より安くなること、それ以外に消費者の関心はない。既存の権益、既存の考え方にとらわれず、消費者の目線でしっかり考えられ、早い変化に柔軟に対応できる企業が生き残っていくのだと思う。その点ソフトバンクは消費者に分かりやすいことを提案していると思う。FMCがどうのこうのとか新機種登場とか言うよりも、カラーバリエーションを増やすことは目に見えて分かりやすく、消費者にとって身近に感じられたのではないかと思う。CMにしても「ホワイトプランがお得」であることを前面に出したり、色が何十色もあったりと、とにかく分かりやすい。「DoCoMo2.0」が何を言いたいのか全く分からないのと対照的であると思った。
*疑問点*
・将来的に光ファイバーのコンテンツビジネスと携帯電話のコンテンツビジネスのどちらに力を入れていくのか。
(今までは、「PCでできるものを携帯でも」という流れだったが、携帯電話用の動画のショートコンテンツなど携帯独自のコンテンツに力を入れるのか。)
・ソフトバンクがTV局をM&Aする可能性はないのか。
・日本の通信産業や携帯産業は国内のシェアをいかに多く取るかということだけにとらわれているように思えるが、今後収益拡大のために海外戦略を強化することはないのか。
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