NC:映画ファンド
朝日新聞7月2日
「映画ファンド 大手に対抗」
■要約
アイデアはあるが資金力がないという中小映画会社を、個人投資家から製作資金を集めて支援する「映画ファンド」が注目されている。
最近の映画は、大手映画会社・テレビ局・広告会社による製作委員会方式によって、宣伝攻勢をかけ観客を動員するのが主流。映画流通を牛耳る大手にノーといわれれば、中小映画会社が持ち込んだ企画も実現できず、著作権は大手にわたり、製作会社には収益も還元されない。
そこで、期待されるのが映画ファンドによる資金集め。以前は1本1ファンドだったが、リスク分散のため複数作品1ファンドの形態もでてきた。信託という方法も特殊で、製作会社が信託会社に著作権運用を委託し、信託会社が投資家に信託受益権を販売する仕組み。
欧米や韓国では映画ファンドは活発だが、日本では信託受益権の流通市場がないため資金を集めるのがまだ困難である。
■感想
詳しい図はこちらを参照してください。
ゼミでも何度もとりあげられたコンテンツファンドについてですが、今まで目立った成功例がありませんでしたが、今回シネカノンのフラガールファンドが(事実上)成功したという事例がのっています。
著作権等の知財も信託できるという法改正や、信託受益権の有価証券化(これによって流動性が高まる)の法改正もコンテンツファンドの後押しになるでしょう。
しかし、実際信託会社の社員に話を伺ったところ、コンテンツファンドは「なんか胡散臭い」「やっぱり不動産が一番だよね」という印象がまだあるようです。私としては、J-REITなんかよりもコンテンツファンドのほうが日本の産業を活性化させる!と信じていますが。
ただ、不動産と異なる点としては、記事にもあるように映画等コンテンツは「水物」であるということです。不動産は立地や施設をみてある程度の価値やリターンを予想できると思いますが、コンテンツは完成してみないと(もしくは公開してみないと)成功するかどうかはわかりづらいものです。監督や出演俳優をみて決めるということになると、大手の製作委員会が作る作品と同じように、有名どころが一番!ということになってしまうと、コンテンツの裾野も広がらないかもしれません。なかなか難しいファンドです。
■議論点
・映画などのコンテンツファンドの促進にはどのような環境整備が必要なのか
・コンテンツの資産価値・収益見込みはどのように予想できるだろうか。またその算出する仕組みをつくるとしたらどのようなものになるか
・(おまけ)大手信託企業にコンテンツファンドに目覚めるように、説得するにはどうすればいいか
※ちなみに、Googleで「欧米の映画ファンド」で検索すると、金ゼミBlogがTOPに、「アニメーションファンド」で検索すると、金ゼミBlogが1ページ目にきます(笑)
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