2007-05-13

5/14 「大企業のウェブはなぜつまらないのか」

大企業のウェブはなぜつまらないのか 【顧客との対話に取り組む時期と戦略】
本荘修二

≪感想≫
 大企業の「ネット化」の取り組みに関するhowとwhyという、今までありそうで無かった分野に焦点を当てていると思います。大企業が抱えている5つの課題を示し、その解決可能性を考えることで、ネット化の取り組みが必要であることを述べるという方法は、単純に「これから流行るから」「アメリカがやっているから」という意見より、説得力があると感じました。今すぐ利益にならないとしても、消費者が変わりつつある中で、取り組まないでいることが競争上不利益につながる、という考えが、日本の大企業にももっと受け入れられるといいと思います。


 ネットという手段を、どのような目的で、どのような方法で用いるのかを明確にし、各社が実験を繰り返す必要がある、というのは、突き放しているようで、未来が不確実な中での一番誠実な主張なのだと思います。また、企業のネット化を考えるときに大切なことが二つあり、<将来的にどうなりたいのかというビジョン>と、<なぜその行為をとらねばならないのかという理由づけ>である、という言葉が印象に残りました。これは、個人の行動にもウェブ以外の企業の行動にも、普遍的に当てはまると思うからです。その点で、7章を一番面白く読みました。


 また、企業にとっては異なる部署の仕事でも、顧客から見ると一つの会社であり、自社のアイデンティティを確立して、マルチチャンネルを連携する必要があるという点も納得できました。各ケースによって、達成したい目標や扱う商品によって、ウェブページに代表されるような、コミュニケーション方法が異なってくるのだと感じました。そして、ウェブページが面白いことと社内環境の良さには相関関係があるのかもしれない、と考えさせられました。


≪議論したい点≫
・企業の扱う商品やその目的によって、どのように顧客との対話の方法が異なるのか。どうすれば、適切なのか。

・そもそも、どのようなウェブページが面白いと感じるのか。(コンテンツが充実している、企業のカラーが出ている、など)

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