2007-07-14

松原懇談会

最終報告書を読んで、気になった点を3つ挙げたいと思います。
(1)コンテンツ流通環境の改善のあり方
(2)マスメディア集中排除原則緩和に持ち株会社いんついて
(3)国際放送と日本のコンテンツのアピール

(1)コンテンツ流通環境について


日本のソフトパワーの源であるコンテンツ産業が発達しない原因は、
 
1.取引先である放送局との力関係の差による資金格差から起こる財政難
2.放送局との取引の公正性・透明性が低いこと
3.財政難からおこる人材の減少

が思い当たります。
政府としては、上記の2の対策として外部調達の公平性を確保する為に「中立的なコンテンツ取引市場」を形成することを挙げています。
また総務省はテレビ番組の制作会社が放映権を持つように促す方針を決め、そうすることで二次利用を円滑に行えるように方針を決めました。2008年度に大手放送局が放送権の一部を制作会社に序とする試行期間を設ける考えです。

しかし、2次利用が新たな収益源になるとしても、制作会社の資金力がそれほど強くなるとは思えません。
2次利用によって、十分なコンテンツ産業の資金力が強化され、ソフトパワーが発達するのかは疑問です。
本当に日本のソフトパワーを成長させたいのであれば、更なる制作会社の人材育成、資金調達の援助をしていく必要があると思います。

疑問点:
1.行政側としては、放映権の譲渡・コンテンツ取引市場の他に、コンテンツ産業を活性化させる行政の施策はあるのでしょうか。
2.中立なコンテンツ取引市場はどれほど、透明性と公平性を担保するうえでどれほど有効なのか。それで、制作会社と放送局の関係は改善されるのか。
3.取引市場は官がやるのか民間がやるのか。

(2)マスメディア集中排除原則の緩和について
マス排の緩和によって民放の純粋持ち株会社ができるようになります。
キー局と系列ローカル局間の「縦」の集中排除から「横」繋がりに変化するということですが、これで本当にキー局とローカル局が平等な横並び関係になるのかどうかが素朴な疑問です。
勿論経営基盤を強化できること、著作権の一元化が可能になることなどのメリットはわかるのですが、
ローカル局はキー局の資本を注入することで支援されるので、力関係は変化しないのではないかと思うのです。結局現在のキー局支配のあり方が強化されるだけなのではないかと感じます。

疑問点
1.持ち株会社化することで、本当に自律性と地域性が本当に担保されるのか。担保できる余地はあるのか。あるならどのように担保するつもりなのか。
2.系列に属していない独立U局・系列が少ないテレ東はどうなるのか。

(3)国際放送について
素朴な疑問点
海外向けコンテンツは日本の文化や報道など直接的に日本を説明するものしか記されてない感じですが、他のアニメやドラマ、娯楽番組など、間接的に日本文化を伝えるものも入れるのか。報道番組よりも、アニメやドラマ、娯楽番組の方が海外(特にアジア)では評判がいいと思うのですが、NHK主体では難しいように感じられます。むしろ、NHKより民法の方が海外向けコンテンツとしては面白いのではないかと感じます。
さらに、国際放送のインセンティブってどれほどあるのかも疑問です。IP放送ができるようになれば、海外から日本の番組も簡単に見れますし。あとは言語の問題だけですよね?
改めて、国際放送の必要性を聞きたいと思います。

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