大企業のウェブはなぜつまらないのか
(感想)
まず、快適に読むことができた本だった。
用語説明やその動きが起こった経緯、背景や現状など逐一注釈をつけてくれており、親切で読みやすかったからだ。
これは直接的に本書の内容とは異なることかもしれないが、web2.0がより多くの人を取り込んでのコミュニケーションを可能にする動きで注目すべきだと訴えるならば、その関係書は一部のネットに詳しい人だけに向けてではなく、この本のように、どことなく取り残されている感を抱いている読者にも分かるよう丁寧に書かれるべきだと思った。
内容について、ポイントは「既存メディアとネットを対立軸でみない」ということだと思う。
ネットの普及、それに伴うネット広告の普及が既存メディアに対しての脅威だといった悲観的な見方をしていても仕方がない。その動きに逆らおうとするのではなく、それを取り込み上手く活用する術を考えるべきだろう。
私は広告費の高さでそのメディアの重要性を考えるのは間違っているのではないかと考える。
例えばネット広告費がいくら増えたところでやはりテレビは全体でみると影響力の強いメディアであることに変わりはないだろうし、他にも近い将来、ネット広告費が雑誌のそれを追い越したからといってもやはり雑誌で広告を出すことの強みがあるに違いない。
重要なことはメディアを個別にみることではなく、それぞれの特性を活かし横断的な見方のもとで可能性を探ることだと考える。
(議論したい点)
・文化的背景からみた場合、日本のSNSをはじめとするCGMは今後さらなる拡大を期待できるか?
そのときのビジネスモデルや韓国型のデジタルグッツ販売か、米のような広告収入型か、あるいは全く新しいものなのか。
・企業と顧客が双方向的に直接つながることは可能か?(顧客による自由な発信は企業にとって常にプラスなことばかりとは限らない)
・ブログについて、一過性のブームか否か。何百万とあるブログのうち、読まれるのはほんの一握り。
ブログ読者数はどのように算出しているのか。ブログの読者はそれを参考にしようとする企業が多いということは考えられないか?
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