2007-05-18

著作権とは何か

○感想○
「著作権とは何か」は、自分が興味を持ってる分野であり、有意義に読むことができた
まず、著作権が「文化の発展に寄与すること」という考え方には大きな共感ができた
他人に物理的に迷惑をかけなければ(感情的に迷惑だと思われたとしても)ある程度著作権に融通を与えたほうが、文化的には成熟するのではないか
まず、藝術創作活動をするにおいて、過去の藝術を知ることがとても重要だとされ、模倣という訓練も普通に行われている。その点でも、過去の藝術作品(著作権があるもの)に影響されていることは間違いない。それが無意識の間で、作品に投影されたとしても、奇異なことではないと思う
最近の例として、和田義彦が、盗作問題で、芸術選奨文部科学大臣賞を剥奪され、国画会から脱退したことは、藝術に興味がない人でもご存知のことであろう。盗作が見つかる前までは、散々メディアからも賞賛されていたのに、「盗作疑惑」が浮上した途端に、その芸術的価値までも下がってしまった。著作権を厳守することが、その芸術的作品の価値までに強く影響してしまうことに、少し違和感を感じる。著作権の問題よりも「美しいものは美しい」と言える鑑賞力のほうが重要なのではないか(和田氏が盗作したのか、しなかったのかという問題は別にして)。ファイン藝術と(同人誌などのヲタク活動の)場合は、むしろ著作権を排除したほうが、芸術家が育つ環境が生まれるのかもしれない

かといって、著作権に対し本腰をいれていない中国は、あらゆる問題をかかえていて、海賊版などの流通によって日本にとって大きな損失がでていることも無視できない。 しがしながら、現在の中国現代アートは非常に活発であり、世界でも注目を浴びている。この先、中国のアートがどう変化するかは予想できないけれども、著作権の乱用は、日本だけではなく、中国自国においてもアートやクリエイティブ産業に大きな打撃を与えるのではないか
つまり、著作権と表現の自由のバランスは難しい !

○議論したい点○
①中国の著作権問題について
 海賊版などの問題について対策はとらなくて良いのか?
 もし、社会主義や儒教などの思想が、著作権に関する考え方にも影響を与えていたら、外国が著作権問題について圧力をかけるのは行きすぎかもしれないが、ネットという媒体を通し世界が繋がった現在は、全ての国で何か共通の約束事を決めるべきではないのか
②私自身は、ファインアート、同人活動、クリエイティブ産業などは、違った著作権の制度が必要に感じる。つまり、著作権には「文化発展」のための側面と、「利害問題」のための側面があると思う。ファインアートなどは、文化発展のために著作権があると言え、音楽や映画などメディアを媒体とするものは、利害関係問題を起こさないために著作権があると考えても良いと思う。クリエイティブコモンズにより個別に対処する方法もあるが、分野によって著作権の法律自体を変えることによって、より文化の発展に貢献し、利害関係の問題を解決できるのではないか
 
 そして最後に、議論したい点とはズれるが、筆者は、東京藝大の講師もなさっているようだが、若き芸術家たちには「著作権」についてはどのように教鞭をとっているのかを伺ってみたい

追加:http://jp.video.msn.com/v/ja-jp/v.htm?g=D0AFF148-9B88-4A85-9FE0-738E7FD1BA2D&t=m110&f=40/98&p=Source_JAJP_griorvr&fg=  村上龍氏による中国の著作権問題についての見解

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