2007-11-09

NC:日テレ、リクルート提携、100億円相互出資、番組に「情報」活用

[出典]2007/11/07 , 日本経済新聞 朝刊, 11ページ

[概要]
 日本テレビ放送網とリクルートは、情報サービスを組み合わせた新サービスを共同で開発する。資本提携を機に、日テレグループの媒体力や制作力、リクルートの就職や旅行、グルメなど多岐にわたる情報収集力を生かした新サービスの開発に両社で着手する。日テレは放送外収入を伸ばし、リクルートはテレビを利用して自社コンテンツの収益機会を広げる狙いである。サービスごとにテレビ、パソコン、携帯電話を自在に組み合わせることで利便性の高いサービスをめざす。
民放各社は広告収入に依存する従来の放送サービス以外のビジネスモデルの確立が課題になっている。

[感想]
メディアの垣根を越えたサービス展開は、ますます注目されるだろう。
今回のサービス開発も、単発の企画ではなく「資本提携」という形をとっていることからも、放送局のやる気が感じられる。放送局の中でインターネット事業部はまだまだ小さく、「とりあえず、やってみよう」という動機で様々な取り組みがなされているが、今後は上記ニュースのように、そこでどういったビジネスモデルを確立できるかを考える必要がある。
放送局のコネクション力とコンテンツ保有力を上手に活かせば、実際に収益を出せるユニークなサービスが沢山考えられるのではないか。
そしてそれはきっと、ユーザー兼視聴者にとって、今までの便利さに面白さや楽しみの加えられたものになるに違いない。

[議論したい点]
・メディアの連携が進む中、最も優位なのはどの立場か?
・コンテンツ保有者が関わることでの新しい広告の形は?

NC: Facebook: Marketers Are your 'Friends'

Facebook: Marketers Are Your 'Friends' 
―The social network's new ad system delivers everything you say, do, and buy to marketers—with no opt out

【出典】
 Business Week, 11/07/2007

【要約】

Facebookが新しいマーケティング手法を導入した。ユーザーが、あるブランドの友達になったり、評価したりすると、その行動が、友人(マイミク)にフィードされる(最近の活動として相手のページに表示される)というもの。また、広告主に対して、職歴・婚暦などの詳細なデータに基づくターゲティング広告が可能であると明らかにした。
最近、オンラインでの個人のプライバシー保護に関してFCC(連邦通信委員会)が懸念を示している。(behavioral targetingの是非・規制を検討している)
一方で、Facebookは10月24日にマイクロソフトから150億ドルの出資を受けており、ネット広告での収益をさらに拡大することを求められている。(ちなみにMy Spaceなどを含むNewsCorpのネット関連事業の売上高は80%増の2億ドル)広告ベースの事業が中心のインターネットにおいて、どのような広告なら認められるのか。それは、今後のユーザーの反応次第であろう。

【感想】
収益の全てを広告に依存するサービスが大半のネットでは、常に新しい広告の手法が検討されている。人間関係を利用した広告というのは、全く新しく、収益を期待できる広告だと考えられる。なぜなら自分の信頼する友達が関心を持っているものや好きなものには興味を持ちやすいからだ。
一方で、若い人も多く個人が特定できるFacebookの様なサービスについて、個人の活動が全て監視されるのに抵抗を示す人も多い。友人との交流は無料で楽しみたいが、個人情報は自分で管理したい。そんな美味しいとこ取りなユーザーの趣向が見える。どのようなオンライン広告なら、サービス展開に十分な収益を確保しつつ、ユーザーも安心して認められるだろうか。その線引きが難しい。

【分からなかった箇所】
 FCC:連邦通信委員会
(「Federal Communications Commission」の略) 米国連邦通信委員会。 情報通信にかかわる許認可・規制を担当する行政機関。

【議論点】
・オンライン広告のリスクと可能性
・どのような広告なら収益と個人の保護が両立するのか
・ネット上での個人情報の保護はいかに行われるべきか(規制・政策の是非)

NewsClipping(11/12) 連ドラ連動 ウェブ連ドラ

【出典】
朝日新聞夕刊11ページ 2007年11月1日(木) 

【記事の概要】
連ドラの視聴意欲を盛り上げようと、本編と連動させたりウェブドラマを配信する取り組みが注目を集めている。TBSは、10月スタートの「ジョシデカ!-女子刑事-」で番外編となるネット専用のオリジナルドラマを制作。有料で配信し、コンテンツビジネスの拡大も期待している。

【感想】
「連ドラの視聴意欲を盛り上げようと、本編と連動させたウェブドラマが~」とあるが、を連ドラのかなりのファン以外は有料コンテンツを見ないだろうと感じた。TV無料であるのに、番外編が有料であるのには単純に矛盾を感じてしまう。
ただ、記事の中でネット配信が抱える権利問題へ対して「出演者とは出演料を低く設定する代わりに、有料配信、DVD販売、番組販売によって利益が出た場合は配分する契約を結んだ」と対処していて、新しい試みのように思える。また、権利問題が変わっていくかどうかも気になるところだ。

【議論したい点】
テレビにとってネットは利をもたらすのか。
権利問題についてどう思うか(ex.アメリカの著作権制度は有効か、など)。

2007-11-08

NewsClipping(11/12) グーグルが無償ソフト…携帯OS、覇権狙う

出典

読売新聞東京朝刊 2007年11月7日(水) 8面

記事の概要

米グーグルは、携帯電話向けOSなどのソフトを無償提供することを明らかにした。グーグルにとって、自社のOSを利用する通信事業者などを拡大し、自社サイトへの接続数を一気に増やすことで、広告収入などを増やす狙いがあるとみられる。また携帯電話端末の開発コストが下がるというメリットもあり、消費者にとっては、端末の価格が下がり、複数の通信事業者のサービスを利用できるようになる可能性がある。開発には、世界有数のIT・通信大手など33社が参画を決めている

感想

以前NewsClippingで、SaaSに関する話題を取り扱った。オンライン上で応用ソフトを提供することで、パッケージを購入する必要もなくなり、互換性の問題もほぼ解消される。携帯電話にもこうした流れが始まろうとしている。これが普及すれば、サービス面での違いをアピールしづらくなる。そのとき、通信事業者間はどういった点で競争(あるいは他社との競合)を展開しようとするのだろうか。

議論したい点

  • グーグル以外の通信事業者(ヤフーなど)が参入する可能性について
  • 日本で「アンドロイド」が普及する際の技術的、ビジネス的な障壁について
  • 「アンドロイド」が普及した際の、通信事業者間の競合点について(何をアピールするのか)
  • 記事で挙げられている以外の、メリットおよびデメリットについて