2007-05-25

森さんコラム"MShoo!"

『静かに変貌する世界』

─感想─
MSとYahoo!が提携したとしても決して不思議ではなかったこのような話はIT業界では頻繁に起こる話で、それこそがIT・ネット産業の急速な成長の素であると感じます。
イノベータージレンマの話はよくゼミでも取り上げられますが、一度成功した市場に長年へばりついていても、このような変化の中で生き残っていくことはできません。企業は常に、自分の位置する市場、自社組織を社会に対応できるように変えていかなければならない。これは、経営組織論の授業でもよく出てくるトピックでもあり、私としても非常に興味がある分野です。そもそも考えてみたら、人は常に進化(変化?)していく存在であるのに、企業だけが変わらないというのもおかしな話です。
また、広く他企業と提携しあうことも最近の流行のようです。クロスメディアやタイアップイベント・CMは今では当たり前の話になりました。自社に足りないものを補えるならば、ライバル企業との提携もありうる。一昔前だったら衝撃的なことなのかもしれません。

ゲーム機競争について。以前ゲームソフト企業の方にお話を伺ったときに感じた任天堂の最大の功績は「女性向けゲーム市場を一気に広げたこと」でした。今までゲームは男性や子供がするものと思われてきたものが、DSやWiiによって女性や中高年層まで浸透するようになりました。最初から、ゲームというのは男性市場だけである、と決め付けていたゲーム業界にとっては大きな前進になったのではないでしょうか。
一方、PS3の売れ行きの悪さについて、私も森さんがおっしゃられているように、コンセプトが先進的すぎたのではと感じました。PS3の性能は既にゲームの領域を超えてしまっていて、SCEとしてもゲームだけにとどまらないマルチプラットフォームとしてのPS3を目指していたのでしょうが、それが消費者には未だに届いていません。これは明らかにマーケティングのミスであると思いますが、それに加えて先進的なものはすぐには受け入れられないということも感じます。森さんが最後に書かれているSONYの動画サイトについても言えることですが、あまりコンセプトが先進的すぎるとユーザーには届かない(本荘さんの回で議論したアーリー・アドプターどまりでカズム(溝)を超えられない)。ただ、誰かが率先してやらなければ市場は開拓できない。このジレンマをどう企業が収益を出しつつ達成するかが重要だと思います。私個人としては時期を見極めるよりも挑戦的な姿勢の方が好きです。

─議論(?)したい点─
一度シンクさんにお邪魔したことがあるのですが、もう一度シンクさんが行っているアニメーションファンド等のビジネスについてもお話を伺いたいと思います。
個人的には、一つの記事に対して議論するよりも、もっとメタ的な議論として「企業はどうあるべきか、どう成長してゆくのか」についてお話したいと思います。このような提携・買収騒動が日々起こっている中、企業というのは一体なんなのか、どのようにあるべきなのかということについて皆さんとお話したいです。

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