2007-05-26

変わるクリエイター、変化に目をつぶるメディア

(感想)
森さんのコラムを多数読みましたが、自分の研究に最も近いコラムを選びました。気になった点がいくつかあります。一つ目は、クリエイターがハードの部分も意識し始めて作っている傾向にあると書かれている点です。芸術の分野にも最適な配合比率が存在し、世界的にも最も成熟した消費者文化を擁した日本市場を対象にする限りは、独り善がりな作品創りはおのずと収益性に限界が生じ、それへの投資などもされなくなるとある。これは最近よく言われていることであり(村上隆の芸術起業論など)、これからは戦略的なクリエイターが生き残る時代なのかもしれない。私もハードとソフトのバランス感覚を身に付けたいと思います。
二点目はコンテンツ立国に必要な支援とは何かということです。こちらがメインです。①資本調達スキームの多様化、②契約を支援する法律家の育成、③下請け環境に甘んじざるを得ない制作会社の地位の改善、④企画から契約までのすべてのプロセスでキーとなるプロデューサー人材の育成など、ピンポイントで押さえるべきところはすべて押さえつくした感があるほどだとある。①〜④の問題に対して、日本の現状を聞きたい。特に①③④は気になるポイントです。資本調達に関しては、シネカノンが投資ファンドでフラガールやパッチギなどを製作し成功していると聞いた。この分野ではジャパンデジタルコンテンツ信託会社の映画投資への仕組みや会社の成り立ちなど、聞きたいことがたくさんあります。
三つ目は、メジャーなメディア環境は産業構造として大変革期を迎えているという感覚はないという点です。気づかぬふりをしているだけで、気づいてるとは思います。既存のマスメディアは今後どうなっていくのか。私はネットと既存メディアが共存していくシステムを考える必要があると思います。ここでCGMが挙げられ、既存メディアと比較されていたが、私はまだCGMには懐疑的です。CGMが既存メディアを凌駕するとは考えません。やはり質の高いコンテンツは既存メディアで流す可能性が高いと思われます。この点も議論できるポイントであると思います。このように一つのコラムを読んでも、議論すべき問題がたくさん書かれているので、読んでいて非常に面白かったです。

(議論したいポイント)
 ①コンテンツ立国に必要な支援とは何か?(現在の支援の現状を知りたい。資本調達スキームの多様化や制作会社の地位改善は絶対に聞きたいポイントです。)
 ②CGMは既存メディアに匹敵するか?CGMは今後どう発展していくか?それとも廃れるのか?(CGMの可能性について聞きたい。それと共に、既存メディアはどう変化していくべきか?どうネットと共存していけばよいか?の考えを聞きたい。)

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