2007-05-26

メディア産業:ダイナミクス×政策

*前略*
もともと自分の興味あるタイトルを10個程読んでから、最終的に一番議論したい点を含むコラム1つに絞ってUPしようと思っていたのですが、読み進めるうちに、其々のコラムの根底で共通する部分(テーマ)があったので、そのテーマを軸に感想および議論を述べることにしてみます。

*テーマ*    

  • ダイナミクスに欠くメディア業界+整合性を欠くコンテンツ政策

昔から考えていたが、最近日本のメディア業界の産業構造に危機感を覚える。とくにメディア再編が世界で相次ぐなか、日本の業界は出遅れた感が否めない。このままでは日本のコンテンツの質が落ちるうえに、世界の流通市場で孤立する可能性が高いような気がする。どうしたら変化するのか;政策的介入か、産業界の意識改革か、CGMに代表される個人のパワーか。森さんのコラムを読みながら、この従来からの疑問点がかなり明確になった。それはつまり、政策と産業界の乖離が問題であるということである。(主要コラム=『定額制音楽サービス』+『放送と通信の融合』+『変わるクリエータ、変化に目をつむるメディア』)

政策と産業界の乖離:行政が「コンテンツ立国」を掲げて提示する戦略はどれも必要なものであるが、なにか「縁の下の力持ち」的な部分に重点を置きすぎなような気がしていた。それはつまり、契約法だとか、制作会社の地位改善だとか、プロデューサー育成だとか、いわゆる『変わるクリエーター、変化に目をつむるメディア』(2006年10月30日)に書かれていることである。がいかんせん、いくらここががんばっても、規模が小さすぎるのではないか。縁である「メジャーなメディア環境」を抜本的に変えていくことにこそが、日本の将来に必要なのではないか。おそらく森さんも似たような考えだと思うが、明確に「制度的な方法ではなく異なる手法を考えねば」、「税制や会計基準といった一種ハードな改革」を示唆するあたり、なにかお考えのような気がするので、そこのところを詳細にお聞きしたい。

政策に整合性がない原因:政府は多様なコンテンツを作れる環境を整えたいくせに、デジタルに対する著作権管理は厳しく、既得権益(主にテレビ業界)の現状維持主張に寄り添う形でメディア業界の構造をダイナミックに変えようとしない。このように議論していること自体が無駄であるような整合性のなさはなぜ起こるのか?裏にだれか権威を振るうスーパーパワーがいるのか、それとも政策決定の主体としての審議会・懇談会の限界なのか?

  • アンバンドル+リバンドル

(前略:アンバンドルとかリバンドルの議論は難しくていまいちよく把握できていません)2007年4月20日の『ケータイに革新を生み出す「無駄」の存在』では、米国のアンバンドルしている携帯事業と比較して日本はまだまだ垂直統合で駄目だという議論だが、遡って2006年3月24日の『ソフトバンクによってリバンドルされる通信』では、垂直統合により拓ける可能性を示唆している。一体どちらいいのか。私の勉強不足で申し訳ないのですが、リバンドル+アンバンドル議論がなかなか掴めないので、簡単に把握できるものであれば、それを交えて日本の携帯市場(orメディア業界全体)のバンドルに基づく特異性をお聞きしたいです。

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追加のちょっと細かい質問
・日本のテレビ業界がGoogleと連携してビジネスを立てようとすれば何かが変わるかも?そのような動きは実際あるのでしょうか?皆無でしょうか?日本の広告業界に一石を投じる意味でも有用な気が・・

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