2007-04-25

ウェブ進化論

陽が昇ってしまったー!
でも一応書いたので皆さんに読んで頂きたいです。

●議論したい点
グーグルのアドセンスは果たして経済格差是正を実現することが可能なのか?

『グーグルはこの検索エンジンを手始めに「知の世界の秩序」の再編を目論んでいる』(p.14)この大きなビジョンから落としこまれた目標が「経済格差の是正」であると位置付けられていました。本書の中で梅田氏はグーグルのアドセンスによる「富の分配」メカニズムが、地域的な概念をも超越してこの問題の解決につながるという論理を展開されていました。発展途上国であれ、先進国であれいわゆる「あちら側」の世界で掛かる費用は同じであり、特に生活水準の低い地域ではブログ収入の及ぼすインパクトが大きいというのが主な主張であったと思います。だいたいp.159~160。

ここで僕が一つ疑問に思ったのは、これは対象となっている人間がコンピューターと完全なインターネット環境を持ち合わせているという前提条件の下組み立てられた論理であるという点でした。

例えば日本というインターネット普及率の高い地域内で起きている、多少の貧富の差であれば是正できるかもしれません。つまり対象者がインターネットを使用することが可能であり、アドセンスを利用する機会があるという条件にのっとっています。同等の機会が提供される場合誰もがブログ設立が可能であり、アフィリエイトやブログ内アドセンスによって収入を得ることができるため(ただ梅田氏の言うとおり、どんなに頑張っても月10万円程度なので、先進国内でもそれほど大きな経済格差に対するブレークスルーにはならないように思えます…)

しかし発展途上国では今回の事象は当てはまるのでしょうか。大前提として発展途上国においてPC所持率、インターネット普及率は非常に低く、ブログ設立自体ができない状況が推測できます。探していたら以下のような記事が検索できました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/17/news066.html
仮に「あちら側」でのコスト的な条件が平等だったとしても、人々がそこまでたどり着くことができなければそもそもの意味がないように思えます。冒頭部分で著者自身が書いているように『「住む人」と「使ったこともない人」の溝は大きくなるばかり』(p.24)というのはまさに、発展途上国と先進国の間に存在する溝を意味しているのではないでしょうか。

まず早急にしなくてはならないのは、インフラ整備。それが完了して初めてアドセンスの持ち味が発揮されるような気がします。今回の梅田氏の論理は「持てる人」の考えであり、あまり途上国の現状を考慮していないように感じてしまいました。

以上の点からグーグルの「経済格差是正」について疑問を感じてしまったのですが、皆さんはどのようにお考えでしょうか?木曜日は参加することができないのですが、是非意見をお聞きしたいです。

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