2007-04-25

ウェブ進化論の感想

 ウェブ進化論を読んで。木曜日は出席できないですが、一応感想をアップします。

 率直な感想は、これからの時代はネットをいかに上手く利用するかが鍵であると再認識させられた。細かい点はみんながブログに書いていたので、俯瞰した立場から意見を述べたいと思う。
僕らは、ネットの世界が進化することによって、もたらされるメリットとデメリットを真剣に考える必要があると思う。この本の第二章ではグーグルを崇拝しているように感じたが、読んでいて少し怖いと感じた。グーグルのミッションは、世界中の情報を整理し尽くすことであり、世界政府があったなら開発しなければならないシステムを全部作るのがグーグルの役割とこの本には書いてある。彼らは、ネットの出現により、言論や表現に多様性を生んだ、ウェブの民主主義を導入したと考えているだろうが、果たして本当にそうだろうか。ある部分は正しく、ある部分は間違いであると思う。私の意見としては、まだまだ検索サイトには限界があり、逆に検索サイトの頭に挙がってきたものの情報の影響力が大きくなり、意見は集約されるような気がする。一つの所に情報が集まり過ぎるのは危険だ。加えて、彼らは人間の介在を極力避けたいと考えているらしい。この本の中でも、ヤフーとの違いの中で言及されている。そして、彼らはグーグルアースを開発し、世界を監視することも始めているらしい。これらを聞いた時、私はある一本の映画を思い出した。スタンリーキューブリックの「2001年宇宙への旅」である。映画の中で描かれたHALによる監視社会はもうじき現実のものとなるのだろう。もうなっているのかもしれない。
 確かに、グーグルは新しい広告のシステムやもう一つの経済圏を作り出すなど、様々なメリットも生み出している。その点において、完全に彼らを否定することはできない。しかし、これ以上の便利さ・快適さ・お金儲けが人間にとって必要なのだろうか・・・。資本主義社会の上に生きている僕らは、新しい価値(便利さや快適さ)を産み出して利益を獲得し、生活をするほか生きる術はない。ここに資本主義の落とし穴があり、恐ろしさがあると思う。この資本主義社会において、誰にも発展を止めることはできないのだ。今後どのようにネットと向き合って生きていくか。人間の倫理観がどこまで持続可能か。そこに人間の未来がかかっていると思う。この本の最後にもあるように、忌避と思考停止は何も生み出さないことを肝に銘じるべきなのだろう。著者から言わせると私は忌避と思考停止の状態なのかもしれない。しかし、これだけは言える。ネットの更なる発展により、今以上の便利さと快適さがもたらされることで、人の心は少しずつ失われていくと。最後に、この本があまりにもグーグル一神教であったので、疑問に感じました。物事は両面から見ることが大切だと思います。

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