2007-05-08

三田祭論文へ向けての問題意識

簡単に・・・

【問題意識】
地域間での直接的な人と人とのコミュニケーションが失われつつある。特に、高齢者、子育て中の母親、障害者、不登校の学生などのような直接的な助けが必要な人々である。そのような人々にとってこのような現状は是正しなければならないと考えられる。

仮説】
「失われつつある、直接的な人と人とのローカルな繋がりをSNSや市民メディアなどのウェブサービスによって再構築できるのではないか」

【焦点】
「人と人とのローカルな繋がり」を成立させるために、特に社会的な共同体に属さない高齢者や主婦、不登校中の学生、障害者などのことも考慮する。このような人をウェブによってどのこうに孤立させないかが焦点になる。

【考慮する点】

1.日本では発達していない市民メディアの現状について考える

2.これからのSNSの動向について考える

3.社会共同体へ属さない人たちの現状について調査する


【考えられる調査方法】

1について

  • 他国との比較(市民メディアが発達している韓国やアメリカ)
  • フィールドワーク; OhmyNewsJapanでのインタビュー

2について

  • 日本のSNSをデータベース化する
  • その上で、特徴・問題点を考える
  • フィールドワーク;SNSを行うベンチャー企業でのインタビュー

3について

  • 高齢者、シングルマザー、子育て中の母親、障害者を支援するNPO法人に対してインタビューを行い、彼らのニーズについて考える。
  • できたらアンケート調査を行いたい

これが今のところ考えている感じです。かなり広範囲な気がするので、今後もう少し考えてどうにかしたいなと思います


以下、提出したものです。上にまとめたつもりですが、いちおうUPしておきます。


現代社会において人と人との直接的な繋がりの減少が指摘されている。産業が都市へ集中するのに比例し、人口集中がおこり、人と人の繋がりは金銭を介した職場や学校などの共同体内で留まるようになった。それと同時に地域に愛着を感じることもなく、地域の人間関係は希薄になった。つまり、都市への産業の集中によって人情の希薄化が生じたのである。その中で孤立してしまうのが、直接的でローカルな支援を必要とした、社会的な共同体には属さない人々である。それは直接的な繋がりや支援を必要とした高齢者、子育て中の母親、不登校などの若者、障害者であり、彼らは孤立する状況下にあるのだ。そのような人々の孤立を防ぐためには、フェイス・トゥー・フェイスの「つながり」の構築が不可欠である。
人と人との繋がりを構成する可能性があるものとして、Webによるサービスが挙げられる。閉鎖的で匿名性の低いmixiやGreeなどのSNSはフェイス・トゥー・フェイスの繋がりの延長線上にあるものとして普及している。また、市民メディアをうたうOhmyNewsのサービスも開始し、誰もがOhmyNewsというプラットフォームを用いて記事を投稿できるようになった。OhmyNewsで、将来更に地域密着や地域の消費者の意識に近い情報を共有する場になることによって地域のニーズにあったサービスが行える可能性もある。そうなれば、TVやラジオでは県単位でしか情報提供ができなかったのに対し、Webではより一人ひとりの生活に密着することができる。Web
ならではの特徴を活かし、可能性を広げることもできるかもしれない。
しかし、Web=なんとなく怖いというイメージがついてしまった。知らない人と繋がるのにはそれ相当のリスクがある。その「匿名性」が恐怖となりなかなかPCで何かするに至れない。しかし知りあい同士のならそのような心配はないはずだ。地域の知っている人地域SNSで繋がりOhmyNews地域版のように情報交換することによって、地域で失いかけたフェイス・トゥー・フェイスの繋がりを再構成する可能性は大いにある。
最後に、現在の日本のWebジャーナリズムは国際社会と比較してひ弱である。OhmyNewsに関しても、活気が足らず、新メディアとしての確立にはまだ時間がかかりそうだ。SNSでもコミュニティが自己紹介の一部になっており、実際コミュニティで行動しているのは少ないのでないだろうか。
本研究では、まず現在の日本のWebジャーナリズムの現状を知る必要がある。OhmyNewsを中心としたWeb上での市民ジャーナリズムの動向を調べ、将来の市民ジャーナリズムが機能するための課題は何なのか発見し、問題に対するアプローチを考えていきたい。

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