2007-05-08

三田祭論文に向けた、問題意識

以下、昨日のゼミで提出したものと同じ文章です。

 現在私が興味を持っているのは、「ブログがもたらす影響に関して」です。
 現在日本では、のべ2000万人もの人がブログに参加していると言われ、純粋に日記として活用されているものもあれば、ニュースや政治、料理のレシピなど個人の持つ情報を提供する意味合いが強いものもあります。中には膨大な量のコメントやトラックバック数を持つブログもあり、また広告収入を得たり、出版依頼などがあるブログもあります。
 少し前であれば、Webページの開設にソフトを用いたりHTMLタグを覚えたり、またサーバーの管理などをしなければならなかったのが、ブログの登場によりワープロを使う感覚で誰でも自分のページを作成することができるようになったとも言われます。
 また、最近では企業が消費者のダイレクトな声をキャッチする手段として、ブログを活用するケースも出ています。例えば日産自動車などは、「TIIDA」や「CUBE」のブログを開設し、社員が車の魅力やアピールポイントを語るとともに、トラックバックを受け付ける形で消費者とのつながりを持とうとしています。一方で、ある会社員が企業の批判や内部情報などをブログに掲載したところ、解雇されたという事例もあります。こうしたことからも、企業の多くはWeb2.0の動きに懐疑的とはいえ、まったくそれを無視することはできなくなっていることが分かります。

 こうしたことから、私の現時点での問題意識は、以下のようなことです。
 ①ブログの影響力は今後どの程度になっていくのか
 テレビCMや雑誌広告など、マスメディアの影響力が依然強いのが現状ですが、一方でインターネット広告の占める割合も決して無視できないものになっています。その中で、当然ブログの持つ影響も強くなるでしょう。前述したような日産自動車の取り組みは、今後あらゆる企業に浸透するのでしょうか。
 また、韓国では「オーマイニュース」などの市民メディアが力を持っていると言われています。現在の盧武鉉大統領当選の原動力になったとされています。日本ではそうした影響力は小さいのが現状ですが、それが今後拡大することはあり得るのでしょうか。
 ②「総表現時代」における一人ひとりの心構えについて
 先ほどブログによって解雇された社員の例を挙げました。それ以外にも、ブログによって社内の機密情報が漏洩するといった危険もあります。また未成年者が飲酒を行ったことを記事にしたり、イベントの従業員が客を「気持ち悪い」などと書いたりするなど、必ずしも現在は表現する側に充分な規律意識があるとは言えません。それもブログが既存のマスメディアに対し信頼度を低くしている要因であると思います。また情報が現在よりも増えるわけですから、受け取る側にも必要な情報を選び取る能力が今以上に要求されるでしょう。加えて、ブログが影響力を持つようになれば、記事を書いた人をどのように守るかといったことも問題視されるかも知れません。こうした「一人ひとりの心構え」についても考えてみたいと思います。


特に、ブログが消費活動や企業の生産活動にもたらす影響について、現状の考察と今後の展望を調べていきたいと考えています。また、ブログを利用した企業側の戦略にも興味があります。
上の文章を書きやすくするために、対象をブログに絞ってしまいましたが、もしできるようならSNSやソーシャルブックマークなど、他のWeb2.0媒体にも対象を広げていきたいと考えています。

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