2007-10-11

NC10/15【次世代DVD規格争い長期化】

【タイトル】「ソフト獲得 東芝急追」「次世代DVD規格争い長期化?」

【出典】日経 夕刊 2007年10月9日(火)2面

【概要】
ソニーと東芝による次世代DVDの規格争いが長期化する見込み。それは、米映画会社のソフト獲得競争で、劣勢だった東芝にパラマウント・ピクチャーズの囲い込みに成功したので、ソニーの優位性が弱まったのが理由だ。現在は両企画が並存したまま、市場シェア争いに。今までは、ウィルト・ディズニーを含む三社が記憶容量を強みとするBD(ブルーディアスク:ソニー)規格を採用、ユニバーサル・ピクチャーズがコスト面を強みとするHD-DVD(東芝)を採用。ワーナー・ブラザーズとパナマウントは両規格を併用した結果BDが映画ソフト市場シェア6割を握り優位だった。しかし、パナマウントがHD-DVD単独の規格採用となったので、この争いが長期化する。
 消費者は規格争いの決着が見えるまで買い控えを続け、その影響で次世代DVDの普及が遅れ、インターネット配信に両規格が負けてしまい最終的に普及しないのではないかという懸念もある。

【感想】
 ビデオの規格争いをしていた80年代の繰り返しが今起きているように感じる。そして、今回の形勢逆転でまたソニーは負けてしまうのではないだろうか?規格争いが起こる理由は、選ばれた方(勝った方)が大きな利益を得られるからだと思うが、ネットワークが先手必勝の構造を持っていることと、どちらの規格が選ばれるかは似ていると感じた。

【分からなかった箇所】
・次世代DVDと現DVDの違いは?
次世代DVDは現DVDの後継DVDで光学ディスク。現DVDより容量が多いことが特徴で、現DVDとの互換性はない。よって、いずれ次世代DVDに移行することになる。
・DBとHD-DVDの違いは?
BD→家電系メーカーが中心となっている規格で、記憶容量が大きい
HD-DVD→パソコン系メーカーが中心となっており、安価。
・VHS対ベータマックス
1980年代にソニーのベータマックスとビクターのVHSでビデオの規格争いがあった。VHSは容量が大きく、ベータマックスは画質が良かった。結果、画質が悪くても容量が多いVHSが普及することになった。VHSはベータマックスより「民用」を売りにしたのが実を結んだ。

【議論点】
・消費者に規格争いのメリットはあるのか?
・(有益でない場合)規格争いが何度も続くのはなぜか?

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

規格争いによる消費者へのメリットは競争によって規格そのものの性能が上がる事が見込まれることぐらいしか思いつきません。デメリットとしては、結果として負けた規格を購入してしまった場合にそれが主流派でないため使いにくくなり、また勝者である主流派の方を買い直す事が起きてしまう事ではないかと思います。
規格競争が何度も続いてしまうのは、規格が一つになってしまうとどこの企業も同じものを作ることになります。同じものとなると自然に安く作ろうという企業も出てくると思います。こうなると、企業にとっては利益が生まれにくくなってきます。こういう状況を避けたいという事が関わっているだろうと思います。
また、もしある企業の規格が主流のものとなった場合にもし特許をとっていたら、特許料(?)がたくさん入ってくるのではないかと思うので、このような思惑も関わっているのではないかと思います。

小林祐子 さんのコメント...

競争に決着がついたとき、負けた一方はどうなるのでしょうか?ここまで互いに費用をかけて開発、普及競争をしてきたのに、もし負けてしまったら、会社存続の危機が起こるのではないでしょうか?

塚田 虹 さんのコメント...

規格の問題は、DVDだけでなく携帯にもつながる話だと思いました。日本の携帯はとても優れた機能を持っているのに、世界に普及してはいません。日本の企業が、技術的に優れたものがつくれるならば、規格争いに勝ち残ることで、大きな利益を得られるのチャンスになるのではないかと思いました。

金山亜衣 さんのコメント...

 内田さんと小林さんがコメントしたように、規格争いの決着が着いた時に、二重に製品を買わなくてはならない消費者が出てきてしまいます。だから、買い渋る消費者が多く居るわけで、それは新しい規格が普及しないことにもつながります。ビデオデッキと同じ規格争いを繰り返すのは賢いとは言えません。
 第三者的な力で統一することはできないのでしょうか?ここら辺詳しい方よろしくお願いします。

匿名 さんのコメント...

例えば第三者的な力と言われた時にパッと思いつくのは行政かなと思うのですが、この場合は政策の中でも「規範ルール政策」に当たると思います。法律や条令によって直接企業や消費者の行動を禁止・抑制・誘導しようとするものです。
ただ今回のように規格競争に対する政策だと規制された企業側は投資への悪影響が出るなどの明らかな不利益を被ることになる気がします。健全な市場競争にそこまで行政が介入し、且つ勝ち負けをはっきりさせてしまうのは行政のあるべき役割ではないように思えます。
すごく保守的ですが、結局は自然淘汰されて残った規格を消費者は選ぶべきなのかなと思います。