2007-07-30

NC  『ブログで「宣伝」企業の影』

●NC “ブログで「宣伝」企業の影” 
07年7月27日(金) 朝日新聞

●要約
企業がブログを宣伝の手段と活用する動きが強まっている。
番組でネット上の口コミの影響力に焦点をあて、企業から数千円の
報酬を受ける有名ブロガーの現状を紹介した。その後、そのブログ
には「やらせじゃないか」という抗議が殺到し、「炎上」した。

ブロガーに報酬を払って商品を褒めてもらっているのにそれを隠し
ているケース、企業がお金で人を雇って通行人や観光客になって
もらい商品を宣伝するケースなども問題になっている。

こうした広告であることを隠した手法は「ステルス(見えない)
マーケティング」と呼ばれ、アメリカの消費者団体は批判を強めている。
米連邦取引委員会も倫理上の問題を認め、ケースによっては取り締ま
る姿勢を示している。日本の公正取引委員会は「被害情報もなく、ブロ
グを広告の手段ととらえる考えが浸透していない」とする。

ブログと企業を結びつけるサービスも増えている。その一方で、文中に
「広告」の明示を義務付けるべきだとするとの意見がある。ブログの文
章の中に埋め込まれた宣伝は「広告とみえない」ケースも多く、その曖
昧さをどう見るか賛否がわかれている。

サイバーエージェントも口コミサービスを始めたが、ブロガーへ報酬を出
さない方式を採っている。その方が情報の信用力が高まるという判断だ
という。ブロガーにとっては「名誉欲」を刺激する形だ。

●感想
「口コミの広がり」をねらったこのようなビジネスは結局うまくいかないの
ではないか?という意見も聞かれる。以前、電通の方がこのような戦略
のことを「つまらない。小さい。」と述べていた。ユーザーとしては、感想と
思って読んで参考にしていたブログが、「実は広告でした・・・」となれば
抗議をしたくなるのは致し方ないとも思う。

ブログではないが“@コスメ”のように口コミサイトで高評価を得て売上
げが伸びた商品も多い。そこで重要なのは宣伝ではなく、口コミである
「信用力」だと思う。私もサイトを参考にしたことがあるのですが、宣伝で
はない感想だから信用しようと思いました。

しかし、インターネット広告は口コミをつくりだす、という戦略がみられる。
そこでは、どこまでが口コミでどこからが広告なのか、わかりにくくなって
くるだろう。そして、もし失敗したら、ブログが「炎上」するようにブロガー
の誠実性は疑われ、そして企業の誠実性までも疑われてしまうのでは
ないだろうか?

広告ではないから口コミ。では口コミという手法がどこまでビジネスとして
成り立つのだろうか?果たして、成立するのだろうか?根本的なことが
気になった。

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