2007-04-30

Second Lifeの学会報告

この前のゼミでセカンドライフのNCが取り上げられましたが、
ちょうどタイムリーなことに、
日本デジタルゲーム学会 第7回月例研究会がセカンドライフについての発表を20日に行いました。
参加してきたので、そのときの内容を簡単に要約します。
(UPするのが遅くなってごめんなさ~い)

日時  : 2007年 4月20日(金) 18:00~20:00
場所  : 東京大学本郷キャンパス 工学部新2号館9階 92B教室
講演者: 三淵 啓自氏(デジタルハリウッド大学大学院 教授)

タイトル 「セカンドライフとは ~その可能性と問題点~」

セカンドライフの魅力
① web2.0的オープンソース(コンテンツ提供側が用意するゲームではない)
② Creator主体のメタバース¹(SL内創造物はCreatorに著作権・管理権がある)
③ 3Dコミュニケーションのインフラ整備(無料で世界中の人とデータ共有可能)
④ ビジネスチャンス(一日の取引量:中での価値約1億円but貨幣価値1/100)

¹メタバース:右脳的情報空間…特徴(アバウト、相対的、常に変化、共有、個人的)

セカンドライフの技術
① 実はシンプル(基本の形は7種類だけ。そこから創造物をつくる)
② 全ての創造物にIDがつくので、追跡が可能

現状問題
① 法律…著作権侵害、中傷、詐欺、PL法、税金、ポイント還元、賭博 
② システム…ネットのトラフィック、SIM人数制限、ものを作る場がネット内のみ
③ 日本市場…日本のゲームプレイヤーの心理は違う(キャラクター>アバター)²
④ 文化社会…ギャンブル、アダルト

² 日本型と欧米型ゲームユーザーの特徴
日本         ←                →      欧米
見た目のCG・キャラ・シナリオ・世界観・コミュニティ・自己主張・創造活動・リワード


質疑応答
この時間に、クラスで重点的に取り上げられた法問題について質問してみました。
Q.「法問題は、リアルでないようなリアルを売りとしているSLでどの程度重要とお考えか?」
A.はっきりした答えはなく、デジハリの意見は「わからない・そこが面白い」。デジハリが推測するリンデル社の意見としては、「SLは全体としてではなく(Creatorが所有する)島によって法を決める制度であることからも、リンデル社は法制度よりも自由度重視だと思われる」そうです。
そのほかにもリンデル社は最低限の環境整備として、Posting形式で処罰を行ったり、Casino系は検索でひっかからないようにしたりと調整はしているそうです。

SLを知るためのお薦め著作
レッシグ著「CODE」
ニール・スティーヴンスン著「SNOW CRUSH」

2 件のコメント:

音田 憲二 さんのコメント...

なんとも、アメリカ的なウェッブの考え方ですね。
日本にSLが上陸した時に、デジハリがどう対応するのか見ものです。

それ以前に、日本語版はいつ上陸するのやらw

去年の11月くらいからまもなく上陸と言われ続けている気がしますw

小川 優子 さんのコメント...

うん、なかなかきっぱりと今後の展開については述べてくれませんでした。

どうなることやら・・・