ウェブ進化論
この本を読んで、たくさんの驚きと感想を持ちました。
まず、自分が知ったかぶりをしていた部分が「そういうことだったのか」という理解へと少し変化したように感じます。実際、インターネットを利用するのは知識なしで出来ます。しかし、その知識のなさが「インターネットは自らの存在を脅かすもの」という恐れに影響しているのではないかと思います。私自身インターネットを頻繁に利用するようになったのは去年です。それ以前は「あちら側」の世界に怖さを感じていました。中学時代は家のパソコンに触れもしなかったです。実際学校の情報の授業でも可能性についてはほとんど言及されず、危険性ばかりが強調されていました。「インターネットを使用する事=危険」というぐらいの指導の仕方でした。「変なところをクリックして、大変な事が起きるのではないか」など自分の制御範囲を超えて存在するインターネットという知覚することのできない膨大な情報に対する恐れがありました。今でもその怖さは感じています。インターネットで買い物などは一度もした事はありません。ですが、インターネットがどういう仕組みで成り立っているのかとか正しい使い方を知るだけで、恐れを超える利便性を享受する事が出来ます。私もインターネットに善悪で言えば悪、清濁で言えば濁を感じているうちの一人です。しかし一方で、危険よりは可能性を感じています。問題を見極めながら、インターネットの「開放性」を否定するのではなく、肯定していきたいと思っています。世の中の人が「住む人」には成らずとも「使ったこともない人」であるのはとても惜しい事だと思います。メディア教育の必要性があると思います。
そして、Googleに対して私は今まで「検索出来るもの」というぐらいの認識しかなかったのですが、その認識が変わりました。Googleによる「知の世界秩序」の完成はGoogleに「世界政府」の完成を意味しているだろうと思います。世界中にどのような情報があるか、誰がその情報を検索しているかなど貴重な情報を全て掌握する。民主主義、経済格差是正ということを標榜するGoogleはアメリカらしい企業だと感じました。アメリカの「民主主義」、「自由の国」という考え方はどこまでも広がり、フロンティアは存在しない。そこがアメリカの特色だと思います。アメリカはこの特色を上手くつかっていると思います。アメリカは他の国と違い、移民が作った非常に歴史が浅い特殊な国家です。私はこのままだとリアルもバーチャルもアメリカによって支配されてしまうのではないかという不安を覚えています。
情報共有の重要性にも共感しました。これは私がサークルでPukiWikiを使っている事から感じる事です。サークルで企画を立て、直に会わなくてもどんどん進められると同時に、他の人が今どの仕事をしているのかわかって非常に便利です。しかし、問題もあります。これはもともと言われていることですが、客観的事実はともかく、意見などは曲がって伝わってしまうという事があります。また見ている事前提としているため、見ていない人がいると面倒です。情報を選ぶ権利というものがあるためです。情報にも「なぜ見ていないのだ」、「見ていないのだからしょうがない」と言う人などが出てきてしまいます。情報共有にもこのゼミのように24時間ルールや日の出ルールなどのそのコミュニティの中でルールの設定する事が効率的に仕事する上でも大事だと思います。
「米国のリアル書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルが持っている在庫は13万タイトル(ランキング上位13万位までに入る本)だが、アマゾン・コム全売り上げの三分の1を13万位以降の本から上げている」という事実には非常に驚きました。「無に近いものを無限大に限りない対象から、ゼロに限りなく近いコストで集積できたら何が起こるか。」の一つの結果であると思います。私は「(≒無限大)×(≒無)=Something」に大きな可能性があると思います。
新しい何かを生み出すためには情報を出し惜しみせず、世界に流通させる事が大事な気がします。「オープンソース」や「ロングテール部分に新規参入する楽曲を「情報」として無料化し、リスナーへの認知を最優先する新しい音楽ビジネス」もこのような事とつながりがあるように思います。一人で作るより二人。これはリアルの話ですが、iPodの背面などを作っている「磨き屋シンジケート」という磨き屋集団の成功もここからだと思います。昔は自分が習得した技は決して他人には明かさなかった磨き屋。しかし、地域の企業で結託し、技を共有し、それぞれの得意な分野活かして仕事を分担した事から成功したのです。日本もこういう時代になってきたのです。今は情報を守るのではなく、アウトプットする方が得である時代になったように感じます。
【話し合いたい議題】
本文に「先進諸国の表現者が『飯を食う』すべは相変わらず既存メディアに依存し続ける。」とあるが、どう考えるか?
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