2007-07-16

通信と放送のあり方に関する懇談会

今回の通信・放送の在り方に関する懇談会においての最終的な目的(高次元の目的)は、「2011年段階ですべての国民・組織・産業がデジタル化・IP化等の技術革新のメリットを最大限に享受できる体制を整備する」ことでした。そしてそれを達成するひとつ低次元な目的として①融合/連携の促進、②競争と事業展開の活性化、③ソフトパワー強化への貢献、④NHK問題への対応を挙げていたと思います。

上記低次元目的③のソフトパワー強化への貢献に関して議論があまり深く及んでいないなという印象を受けました。現状を考える観点としても(3つの観点の重要性)の章で「ソフトパワーの強化」を挙げられていましたが、最終的に出た結論がどれくらい効果を発揮できるものなのか疑問です。基本的に放送事業者が自由な事業展開に肯定的且つ積極的という仮説の下で成り立っている理論なので現実と乖離しているのではないでしょうか。例えば⑤コンテンツの流通環境の改善において「放送事業者は、番組の外部調達や取引のあり方を見直し、外部調達の増大に努めることが期待される」とあります。これについても政府⇒企業というコミュニケーションベクトルが成り立っており、完全に事業放送者の負担になっています。ほかの2つに関してはこれまでの規制を大きく見直すことで通信と放送の融合を積極的に促し、上記の4つの低次元目的を達成するという道筋が理解できます。政府の介入の仕方もある程度イメージができますし、これまで触れることなかった核心にアプローチできていると思います。

よってお聞きしたい点は
なぜこの次元においてソフトパワー強化への貢献という次元が現れたのか?
放送事業者は自由な事業発展に肯定的で、且つ将来的には具体的なアクションを起こせるだろうか?

0 件のコメント: