2007-05-30

NC─著作権が脅威になる日─

2007年5月26日朝日新聞朝刊

「(be report)著作権が「脅威」になる日 被害者の告訴なしに起訴、共謀罪も」



─要約─

文化庁で海賊版摘発のために、著作権侵害を非親告罪にする検討が始まった。親告罪では、被害者の告訴なしに起訴できないため、警察が海賊版摘発の捜査をしにくいからだ。これは、日本が「模倣品・海賊版拡散防止条約」の制定を提案しており、条約内容と国内法を合わせたほうが望ましいからである。また、自民党では共謀罪の対象範囲として著作権侵害を盛り込む修正案をまとめた。これにより犯罪組織が海賊版を資金源にすることを防ぐのが狙いだ。さらに、ネット上の著作権侵害ファイルを利用者が保存することを違法とする案もでている。(現在は権利者の許諾なしにファイルをネット上で公開するのは違法)

しかし、非親告罪と共謀罪を適用することで、言論統制も可能になり、言論や表現の自由が萎縮するのでは、という警戒もある。



─感想─

著作権に対する意識が高まってきた中、新たに権利者保護のために法改正が行われようとしています。上記にあげられた罪から現在のインターネットの現状をみれば触法するものばかりで、それらをすべて検挙することは不可能に近いでしょう。また、規制が多くかかることで二次的な創造性が損なわれるのではないかという危惧もあります。

現在の日本の仕組みでもある民主主義(≒功利主義)「最大多数の最大幸福」を優先するならば、はたしてこの法改正は日本の幸福を全体的に増やすことにつながるのでしょうか?

ただ、だからといって法改正に全面的に反対するのも危ないもので、現在海賊版の被害は莫大なものになってきている以上、海賊版を防止する対策も必要です。

詳しくは、模倣品・海賊版被害の現状(2004)をみてください。



─議論点─

・著作権侵害適用強化について、非親告罪とダウンロード違法化と共謀罪の適用は必ずしも必要なのだろうか

・海賊版規制と表現の自由を保つ折り合いはどうつければいいか

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