2008-04-20

ブログ移転のお知らせ

金正勲研究会のブログは2008年度移転いたしました。

新しいブログはhttp://kimzemiblog2008.blogspot.com/です。

活気のある新入所生も新たに加わり、今後は一層議論を盛り上げて生きたい次第でございます。

今後とも金正勲研究会をよろしくお願いいたします。

金ゼミ一同

2008-04-09

パラダイス鎖国の感想

 本書を読んで、いろいろとキーワードや名付けがされていておもしろいという第一印象を受けた。特に本の最初から最後までよく使われていた「混沌」に関しては、混沌から抜け出すことを恐れるなと書いてあったが、混沌から抜け出すには多くの力が必要ではないかと思った。中国の故事で混沌という皇帝の顔に一日ずつ目、鼻、耳の穴を付けていったら7日後には皇帝が消えていなくなってしまったという話を思い出した。本書に多い名付け・キーワードもある意味で、混沌から抜け出すための手段であったと思うが、この場合短い単語でも、パワーを持っていなければ「キー」ワードにならない。よって、目や鼻を顔のどの位置に置くのかも重要だし、そもそも目・鼻・口を選ぶということ自体が大変なことかもしれない。

 著者は、ゆるやかな開国を、一般の人の意識レベルでの変化によってと提唱しているが、それが混沌に穴をつける作業だったら、一般人のゆっくりとしたスピードで行なうのは難しいことではないかと感じた。人の意識というものは大きなイベントがない限り急に変わることはないと思うし、いま在る意識というものもゆっくりと培われてきたものだからだ。これを小さな団体で行うには一人の小さな変化が大きく影響・反映すると思うが、国レベルで行うとなると理想でしかなく、メディアなどの即効性があり影響力をもつモノの力が必要なのではないかと思った。

 そもそも、私は外国より国内という内向思考を持っていないし、そこまで周りも外国より日本を選ぶという傾向が強いとは感じない。しかし、著者の言うようにマイノリティーの数が大きくなっているとして、それが「もったいない」のであるならば早期の治療が要ると思う。確かに、産業に関して、日本の製品が日本で完結しているというのは「もったいない」と思う。例えば日本のデジカメは、外国では評価が高く、受容があるようだ。もしこれが、外国からの開国要求があれば日本は動くというスタンスだとしたら、江戸時代の本当の開国から何も変わっていないのかもしれない。日本のこの体質はよき文化でもあり、「もったいなく」もあると思う。

2008-04-06

パラダイス鎖国を読んで


 さらっと読みやすい本ではあるが、キーワードが多い本でもある気がした。
「パラダイス•鎖国」「厳しい•ぬるま湯」のように、一見対立するような単語を合わせる言い回しは、とても印象的だし、的確に事象を捉えている表現だと思った。
 この本は様々な捉え方ができる本であるが、筆者が最も伝えたかったのは「このままでは日本はまずい」ということだと私は思う。
 先日、「日本のODAが5位に転落した」というニュースがあったhttp://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY200804020372.html?ref=goo
 それとともに、BBCの国際世論調査では「世界に好影響の国として、日本とドイツが首位」ということが発表された
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7324337.stm

 つまり、日本の国際競争力は落ちているが、未だ世界に対する影響は強く
「まだ、立て直しができる」時期だと思う。パラダイス鎖国のp.116では
「いまの日本なら、新しいものを作り出すための途中の無駄やコストを負担する余裕がまだある。その余裕すら失ってしまう前に、新しいものを作り出すための一歩を踏み出すべきなのだ。」とある。

 今の日本に必要なのは、何なのであろうか?
パラダイス鎖国で言及されているように「新しいグローバル化の公式(コンテンツ産業などの新た私意分野)」「厳しいぬるま湯」「ゆるやかな開国」は最もであると思う。
 それと共に、その全ての事象の根本にある「日本人の精神を」再度見つめ直す機会が必要だと思う。
日本人の精神って何ぞ?と思われると思うが、よく「褒める米国、けなす日本」という言葉を耳にしないであろうか?
http://news.goo.ne.jp/article/nbonline/business/nbonline-149475-01.html
日本人は、高度経済成長したときも、子供を教育するときも、現在の仕事でも
「危機感」によって動かされていることがとても多い気がする。つまり、「危機感駆動型」の日本と「希望駆動型」の米国と言い表せることができると思う。。パラダイス鎖国には、日本
もアメリカも「パラダイス鎖国」の状態になった、と言及されているところがあったが、同じパラダイス鎖国でも、至った経路(精神的思考)が違うと思った。
 日本人の「危機感駆動型」は、高度経済成長時代にはとても有効ではあるが、現在では「希望駆動型」をより強く意識していくべきだと思う。イノベーションが置生じやすいプラットフォームを社会全体で創造していくべきなのである。。。

 始めの話にもどるが、私は『「パラダイス•鎖国」「厳しい•ぬるま湯」のように、一見対立するような単語を合わせる言い回しは、とても印象的だし…』と書評した。
私の考えすぎかもしれないが、「希望」と「危機感」を感じさせる単語を、一つのキーワードに融合させる筆者の作風には、「日本には、希望と危機感をよりよいバランス(融合)させ使っていくべきだ」というニュアンスを含蓄させていたのではないか?と読み終えた最後で思ってしまった。みなさんはどう思いますか?そんなところで感想を締めくくります。

2008-04-04

パラダイス鎖国

海部美知「パラダイス鎖国」を読んで、印象に残ったキーワードを5つあげます。

「厳しいぬるま湯」
「内なる黒船」
「試行錯誤」
「混沌」
「ゆるやかな開国」

この5つのキーワードはどれも、私自身への問いかけと組織の運営(私の場合は金ゼミ)への問いかけを喚起するものでした。
そして、どれもが私が創りたい金ゼミ像に当てはまりました。

試行錯誤を繰り返しながら、そこから生まれる創造性によって、混沌を抜け出せる力を持つ『内なる黒船』的存在を育成する=金ゼミ=厳しいぬるま湯

って感じかな。「ゆるやかな開国」は「外部発信」という意味では金ゼミのこれからの課題かなと感じています。

この春休み、自分のキャリア計画を考える時期であり、同時に金ゼミの運営をどうしようか考える時期だったので、このタイミングでこの本「パラダイス鎖国」に会えたことは自分自身のこれからにしろ、金ゼミの運営にしろ自信とモチベーションを与えてくれました。

その中でも、一番印象に残った言葉が「内なる黒船」です。
試行錯誤を繰り返す忍耐性と、「混沌」から抜け出すエネルギーと創造性を兼ね備えた人が「内なる黒船」として日本の「鎖国」的な産業構造や社会を変化させていける。
この著書から、日本こそ、その閉鎖的な特徴から「内なる黒船」を最も欲している国ではないかと感じました。また同時に、自分自身の将来像が「内なる黒船」的な存在と重なり、そのような存在になるには自分にはどう行動すればいいのか考えたいです。

この本を通して、金ゼミの組織のあり方についても考える機会がありました。
金ゼミ生は全員が「内なる黒船」になるポテンシャルを秘めていると確信しています。
金ゼミ自体が「内なる黒船」の多様性を許容する「厳しいぬるま湯」的な組織になればいい、というかそう創っていきたいと強く思います。

そうするには、どうすればいいか。自分なりに考えてみました。
1、流動的な社会と共に歩くには、情報収集を日々心掛ける
2、変化を恐れない。それに対応できる力を持つ
3、外部発信をする。外の世界との交流をする
4、海外を知り、自国を知る。海外での自国を考える(ブランド形成に繋がる)
5、混沌を恐れない
6、既存の概念に囚われない。多様性を許容する

・・・きっとまだまだあるのだろうけれども、今パッと思いつくのはこんな感じかな。
この6点は自分自身に言い聞かせたいこと、まだ行動に移せていないけれども実行したいことが多いので、この本との出会いを機に明日から一歩前進していけるように努めたいと思います。

2008-03-30

パラダイス鎖国を読んで

パラダイス鎖国というとても印象的な題名で、どんな本なのだろうと不思議に思っていましたが、読み物として、考え方としておもしろかったです。

二点、特に感じたことを書きます。

海外への憧れがなくなったと書いてあった時、私は初め果たしてそうかなぁと思いました。高校時代の友人などはよく「ハーフの子供ってホントにかわいいよね~!!!私ガイジンと結婚したい!」とか「私アメリカ人に生まれればよかったなぁ、だってスタイルいいじゃん。」とか言っていたのを思い出したからです。彼女達は外国(特にそれは欧米を意味する)に憧れを持っています。しかし、それは良く考えてみれば、容姿に関する憧れです。みなハリウッドの映画や海外のドラマに出ている俳優を見ているからそう思ったのではないかと思います。実際に欧米に行った友人達は「アメリカ人ってみんな太ってるんだよー。」と落胆した感じで言います。「食べ物もおいしくなし、量多すぎるし。」と次から次へとグチが出てきます。私は「あの時の憧れはなんだったの??」と思いましたが実際見てしまうと憧れという物は消えてしまうのもかもしれないと感じました。憧れはそのモノを見たり、触れたりする事がなかなかないことから生まれるのではないかと思いました。あらゆるモノを見たり、聞いたり、触れたりする事が出来る現在の世の中では憧れは生まれにくいのかなという結論に辿りつきました。

日本では海外向けの製品というものは作られていないと確かに思います。日本は日本の市場に収まっています。しかし、その意識のない市場から海外でのヒットが生まれることもあります。アニメやマンガなどがそうです。アニメやマンガなどのなかなかそれを測ることが出来る尺度のない文化的な市場はそれでもいいのかもしれません。しかし、文中に出てくる携帯の市場などはもっと意識をして売り出すなら売り出していくべきなのではないかと思います。ともかく日本は国としてどうありたいのかとしての意識を国民全員が持つという事が重要だと思いました。現在は持っている人もいると思うが少数なのではと思う。国民として強い意識が必要だと思います。ただ海部さんのおっしゃるように「ひきこもり」になるのはまずいです。自国だけに目を向ける事は危ないし、いろいろな見方を知って、考えを持つことが大事であると私は思いました。

2008-03-27

気になった記事③


三洋の携帯事業獲得を争ったソニーとシャープ「国内縮小」戦略 (ダイアモンド)
 URL: http://diamond.jp/series/inside/03_29_004/
 
 概要:ソニーがNTTドコモ向け携帯電話端末の生産・開発の中止を検討していることが表面化した。ソニーはスウェーデンのエリクソンとの合弁会社を通じて、「ソニー・エリクソン」ブランドで、世界で携帯端末を販売している。国内では、ドコモとKDDI向けに供給しているが、今夏以降はKDDIに特化、ドコモ向けには端末を他社からOEM調達する。ソニーは「国内縮小・海外強化」の路線を鮮明にしてきた。2007年の携帯電話の世界市場は11億4400万台。うち、日本市場は5150万台で、構成比はわずか5%にすぎない。長らく、10社以上のメーカーがひしめく乱戦が続いていた携帯電話の国内市場では、三洋や三菱電機が撤退を表明した。ソニーやシャープのように、グローバルな携帯事業への投資余力がないメーカーの再編淘汰が進むのは必至である。

 感想:「パラダイス鎖国」でも取り上げられていた、日本の携帯事業である。やはり、国内市場は飽和状態だと言えるだろう。このような状態になった要因は、パラダイス鎖国で言われていた点も挙げられるが、もう一つ言える点として、通信キャリアが独占的な免許事業を盾に販売インセンティブを徹底し、販売網まで独占していたことが挙げられるだろう。つまり、メーカーブランドが育たない環境を徹底的に構築してしまったのである。こうした体制の中で、端末メーカーは通信キャリアの要求に否応なしに従う形で、キャリアブランドの端末を開発することに専念してゆくことになってしまった。そのような構造がなければ、端末メーカーが海外展開しやすい状況があったと思う。


②ミスチルらの楽曲の演奏・合唱、ユーチューブに使用許可 (朝日)
 
 URL:  http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200803270228.html?ref=goo

 概要:ミスター・チルドレンやスピッツら人気バンドの楽曲の著作権を管理するジャパン・ライツ・クリアランス社(JRC)は27日、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」を傘下に持つグーグル社と、同サイトでの楽曲使用を認める包括許諾契約を結んだ。同サイトでの楽曲使用をめぐる大型の許諾契約は国内では初めて。同サイトでは著作権者の許諾を得ていない違法な映像・音楽の利用が問題になってきたが、映像に付く音楽については合法利用への道が開ける可能性が出てきた。

   感想:や最初、ミスチルの音楽をYouTubeにアップすることが合法になるのかと思い込んでしまったが、ミスチルの楽曲を演奏した動画をアップすることが合法になるということらしい。僕は賛成である。著作権については、沢山議論されているが、法による規制では制御できないと思う。法ではなく、もっとビジネス的な手法で解決(動画サイト、著作権者、ユーザーにとってwinなモデル)していくほうが現実的だし、コンテンツにとっても良い影響があると思った。



2008-03-13

気になった記事

気になった記事を紹介します。


【3月6日読売新聞】携帯利用者の親が「フィルタリング」対象サイト設定 要請へ/総務省
 総務省は5日に接続できないサイトの範囲を見青年の親が自由に選べるようにキャリアに要請した。KDDIとドコモがホワイトリスト方式・ソフトバンクがブラックリスト方式を採用しており、総務省としては携帯コンテンツの衰退を招かぬよう閲覧範囲を広げる為にブラックリスト方式を薦めている。
携帯サイトの健全性の認証と青少年の保護を目的とした第三者機関「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(仮称)」は,審査を通り認証を得たサイトについては,フィルタリングの対象としないよう促していく。認証の審査は2008年4月から開始される。

【感想】
青少年を携帯電話を媒体とした犯罪から守るという意味では、フィルタリングは素晴らしいものだが、その携帯サイトの善悪を第三者機関がどう線引きするのかということがフィルタリングの最大の課題である。一つのサイトで様々なサービスを展開しているサイトには、犯罪の可能性はあらゆるところに点在しているのが殆どである。特にSNSなどのコミュニケーションツールとしてのサービスは、そのサイトの運営者がいくら監視しても、監視しきれない要素が必ず出てくる。よってSNS等のコミュニケーションサイトは第三者機関の裁量によってその将来が大きく変化することが否めない。勿論、青少年の親が様々なウェブサイトのことを熟知しており、ブラックリストに挙げられるのであれば問題はないが、大体の親が現在の携帯サイトのコンテンツについて理解が深いとはなかなか考えられない。よって、青少年の親が自由に携帯サイトの閲覧範囲を指定するのは現実問題難しいのではないだろうか。また、それが規制されるとしたら、何か携帯サイトを通じて大きな問題が起こった後からになると思う。
また、携帯サイトの運営主体であるコンテンツ事業者もフィルタリングを考慮して大胆な活動は行えなくなるのではないだろうか。携帯電話の機能では先進国である日本のコンテンツが疲弊してしまう恐れがフィルタリングにはあることが否めない。
 私はフィルタリングのような物理的な制限をしくと同時に、教育機関や警察、地方自治体などと連携してコンテンツに対してのリテラシー教育をまず広めるような政策を打つべきなのではないかと感じる。親も、先生も、警察も、地域の人々達のリテラシーを育成し、健全なコンテンツとフィルタリング規制が両立できるようなサービスが実現してほしい。

②【3月18日経済界】クールジャパンの旗手 アニメがんばれ!
 日本のアニメーションは、海外でも評価が高いものの、少子化や労働環境の劣悪さ、人材不足などの問題から国内では徐々に停滞しつつある。国内のアニメ産業の健全化こそ持続的な海外転換に繋がるのだが、現在の状態では将来の雲行きも怪しくなる。

【感想】
Youtubeなどの動画共有サイトの出現やデジタル化によって日本のアニメが世界中で簡単に視聴することができるようになり、日本のポップカルチャーやコスプレ等のサブカルチャーが世界中でポピュラーになっているが、新たな人気アニメが出現せず、視聴率もプライムタイムなのにも関わらず二桁に満たないという問題が出てきている。このままでは持続的なアニメコンテンツの輸出には限界があるのではないだろうか。日本のアニメやポップカルチャーは現在の状況に満足せず、持続可能なサービスを行えるように労働環境の整備や人材育成、そして海外進出に力を入れていかなければならない。国内アニメ企業は決して将来を楽観視できる状態ではないことを念頭にいれておく必要があるのではないかと思う。また、同時にアニメビジネスを成り立たせる為の海賊版防止規制も、文化の普及と規制のバランスをとりながら積極的に行っていくべきだろう。

最近気になったニュース

フジテレビジョン、10月1日付で認定放送持株会社に移行
 [東京 13日 ロイター] 
フジテレビジョン<4676.t>は13日、10月1日付で認定放送持ち株会社体制に移行するための準備に入ると発表した。
現フジテレビジョンを認定放送持ち株会社「フジ・メディア・ホールディングス(仮称)」とし、地上波放送事業を事業会社として分割する予定。フジテレビでは持ち株会社化の目的に関し、放送事業を核としながらも、放送以外の周辺事業領域にも経営資源のさらなる選択と集中を推し進めて、外部との資本・業務提携や事業再編を積極的に行っていく必要があるとしている。認定放送持株会社への移行には総務省の認定が必要になる。

 (意見)放送持株会社化して、今の放送局の構造に改善が見られるかは、疑問が残る。
    ①キー局と地方局の関係②放送と通信業界の関係。。。。私的には、さほど劇的な変化が生まれるとは思わないのですが、皆さんどう思いますか?


テレビCMから車内広告へ。交通・屋外広告が5年連続増と絶好調
 『週刊ダイヤモンド』 http://diamond.jp/series/inside/03_01_002/
 電車内で液晶モニターを使って動画を流す映像広告が、広告主から引っ張りだこの状態だ。
広告市場全体が低迷するなかで、交通・屋外広告の伸びが目立っている。テレビ・新聞などマスコミ4媒体の2007年の広告費は前年比2.6%減の3兆 5699億円と三年連続で落ち込んだのに対し、交通・屋外広告は2.3%増の6632億円となり、5年続けて前年実績を上回った(電通調べ)。

 (意見)単純なPVの数より、広告を見る人間の場所や行動も、大きく広告効果に関係すると思う。私的には、最近、テレビのCMよりも電車のCMの方が見てしまう傾向にある。広告効果の測りかたは、変わっていくかもしれないですね。。。


いつもNCより大分フランクにしました。。。問題ありでしたら消してください。