2008-04-06

パラダイス鎖国を読んで


 さらっと読みやすい本ではあるが、キーワードが多い本でもある気がした。
「パラダイス•鎖国」「厳しい•ぬるま湯」のように、一見対立するような単語を合わせる言い回しは、とても印象的だし、的確に事象を捉えている表現だと思った。
 この本は様々な捉え方ができる本であるが、筆者が最も伝えたかったのは「このままでは日本はまずい」ということだと私は思う。
 先日、「日本のODAが5位に転落した」というニュースがあったhttp://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY200804020372.html?ref=goo
 それとともに、BBCの国際世論調査では「世界に好影響の国として、日本とドイツが首位」ということが発表された
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7324337.stm

 つまり、日本の国際競争力は落ちているが、未だ世界に対する影響は強く
「まだ、立て直しができる」時期だと思う。パラダイス鎖国のp.116では
「いまの日本なら、新しいものを作り出すための途中の無駄やコストを負担する余裕がまだある。その余裕すら失ってしまう前に、新しいものを作り出すための一歩を踏み出すべきなのだ。」とある。

 今の日本に必要なのは、何なのであろうか?
パラダイス鎖国で言及されているように「新しいグローバル化の公式(コンテンツ産業などの新た私意分野)」「厳しいぬるま湯」「ゆるやかな開国」は最もであると思う。
 それと共に、その全ての事象の根本にある「日本人の精神を」再度見つめ直す機会が必要だと思う。
日本人の精神って何ぞ?と思われると思うが、よく「褒める米国、けなす日本」という言葉を耳にしないであろうか?
http://news.goo.ne.jp/article/nbonline/business/nbonline-149475-01.html
日本人は、高度経済成長したときも、子供を教育するときも、現在の仕事でも
「危機感」によって動かされていることがとても多い気がする。つまり、「危機感駆動型」の日本と「希望駆動型」の米国と言い表せることができると思う。。パラダイス鎖国には、日本
もアメリカも「パラダイス鎖国」の状態になった、と言及されているところがあったが、同じパラダイス鎖国でも、至った経路(精神的思考)が違うと思った。
 日本人の「危機感駆動型」は、高度経済成長時代にはとても有効ではあるが、現在では「希望駆動型」をより強く意識していくべきだと思う。イノベーションが置生じやすいプラットフォームを社会全体で創造していくべきなのである。。。

 始めの話にもどるが、私は『「パラダイス•鎖国」「厳しい•ぬるま湯」のように、一見対立するような単語を合わせる言い回しは、とても印象的だし…』と書評した。
私の考えすぎかもしれないが、「希望」と「危機感」を感じさせる単語を、一つのキーワードに融合させる筆者の作風には、「日本には、希望と危機感をよりよいバランス(融合)させ使っていくべきだ」というニュアンスを含蓄させていたのではないか?と読み終えた最後で思ってしまった。みなさんはどう思いますか?そんなところで感想を締めくくります。

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